都市論I──都市問題から見た天皇制

  • 時間

    82
  • 音質

    中上健次氏、三上治氏と
    吉本隆明の主催により
    オールナイトで行われたイベント
    「いま、吉本隆明25時」の講演。
    主催者挨拶と
    吉本隆明の1回目の講演を収録。
    音源はライン録音されたもの。
    ところどころマイクノイズがある。

  • 講演日時:1987年9月12日
    主催:中上健次/三上治/吉本隆明
    場所:品川・寺田倉庫 T-33号館 4F
    収載書誌:弓立社『いま、吉本隆明25時』(1988年)




民間の一資本が、皇族の土地を手に入れて、
とうとう天皇家の土地よりも
大きな土地所有者になったということは、
東洋的な君主という意味での天皇家の大きな柱を
すでに崩してしまったことを意味していると思います。
それは、歴史のある必然を象徴しているように思えて、
たいへん興味深いことだと考えます。
都市の収縮がこれから更に過剰になって、
ビル街が皇居周辺を囲んでしまったという場合を
想定しますと、皇居を売るときは
いつか来るじゃないかと思えてならないんです。
売っちゃって、京都御所なら京都御所に
引っ込もうと考えるときが、
ないとはいえないんじゃないかと思うのです。
僕の理解のしかたでは、それが、
都市問題から見た天皇制の問題です。