個の想像力と世界への架橋

  • 時間

    83
  • 音質

    「'82現代短歌シンポジウムin東京」
    として2日間にわたり開催された
    シンポジウム幕開けの講演。
    冒頭、佐々木幸綱氏による
    開会の挨拶が収録されている。
    録音者の手元ノイズが入っている。

  • 講演日時:1982年11月13日
    主催:現代短歌シンポジウム実行委員会
    場所:千代田区一ツ橋・一橋講堂
    収載書誌:雁書館『'82現代短歌シンポジウムin東京・全記録』(1983年)




高橋源一郎さんの『さようなら、ギャングたち』という
作品が問題にしていることは、
現在の詩歌が当面している問題そのものであるといえます。
この作品では、ラディカルな詩の概念というものが、
伝統的な言葉の様式からは出てこないで、
何もかもむなしくされてしまい、
現在の原初的な刺激を
無意識の底から受け入れたときに生まれる言葉から
出てくるかもしれないという考え方が
成り立っているのです。
現在、詩的な表出のすべてが
直面している物語性の解体というところで、
短歌の領域でも同じような問題が
本格的に出てきているんじゃないかと
思われてならないのです。