過去の詩・現在の詩

  • 時間

    168
  • 音質

    詩誌「無限」を発行していた
    株式会社無限が主催.
    声が若干遠く聞こえ、
    ところどころにノイズが入っており
    音質はあまりよくない。
    質疑応答が講演本編より長い。

  • 講演日時:1980年2月6日
    主催:詩誌「無限」事業部
    場所:明治神宮外苑絵画館文化教室
    収載書誌:未発表




現在の詩のあり方ということと同じ意味あいで、
過去の詩のあり方を問い直そうとするならば、
その再現はたいへん複雑な陰影の立て方を
しないとできません。
ある詩が日付として新しいか、
同時代であるかということは、
詩の新しさ、古さと少しも
関係のないことだといえると思います。
同じ時代に書かれていたとしても、
片方がまるで古代的な形式の様相を
たくさん保存して書かれていながら、
もう一方でまったく
フォルム自体がわからない詩が書かれているということも
ありえるわけです。
これらを等しく、過去の同時代の詩と
理解しなければいけないということの複雑さ──
詩の言葉の空間の複雑さ──がありえるとともに、
日付としては現在の詩が、現在の詩として考えたら
考え違いをしてしまうということが
ありえるのだということも、
かなり複雑な陰影を過去の詩と現在の詩のなかに
提起すると思います。