フロイトおよびユングの人間把握の問題点

  • 時間

    140
  • 音質

    山王教育研究所が主催する
    「山王サイコセラピーセミナー」
    の講演。
    め周辺のノイズが入っており、
    音質はあまりよくない。

  • 講演日時:1975年10月11日
    主催:山王教育研究所
    場所:山王会館(国電大森駅ビル4階)
    収載書誌:弓立社『知の岸辺へ』(1976年)




ユングは自伝のなかで、
フロイトとの決別の場面を象徴的に語っています。
それはばからしいといえばばからしいし、
たいへんなことだといえばたいへんなことです。
あるとき、フロイトとユングが超心理学の話をしていて、
いまの言葉でいえば超能力についてどう思うか、
とユングがフロイトにいうわけです。
それに対してフロイトは、それはお話にならないから、
まじめに相手にしない、みたいな感じで応対します。
そうしているうちにふたりがしゃべっているそばの本棚が
ガタガタと揺れ出す。
ユングにいわせれば超能力的に
そういうことが起こったんだけれども、
フロイトはそれを承認しない。
その現象は、テレビの茶番劇にもなりうるわけですけども、
それが人間の精神の解析について、
すぐれたふたりの巨匠を別れさせるきっかけにも
なりうるという意味あいで、
決して無視することはできないことじゃないかと思います。